壮大なスペクタクルをストゥールゴールズが忠実に再現したショスタコ―ヴィチ第11番。広いダイナミクス・レンジと卓越した遠近感による録音(SACDハイブリッド盤)も特筆すべきクオリティ。クライマックスはチューブラー・ベルではなく教会の鐘を使用しています。
★★★★★
今年もっとも急激に注目度と存在感を高めたのはジョン・ウィルソンでしょう。「とにかくオケが上手い」と評判のシンフォニア・オヴ・ロンドンを振った、レスピーギの名曲。再入荷してもすぐに完売が相次ぎました。
2020年全ジャンル内での堂々ベストセラー。数々の競合盤に優る、新たな決定盤。極めて緻密で鋭敏でストイックなショスタコ―ヴィチに衝撃を受けました。
華麗な技巧が披露されるルクレールのヴァイオリン・ソナタや協奏曲ではなく、優雅で精緻な室内楽の愉しさを味わえる「トリオ・ソナタ」を選んだあたりにも、ヨハネス・プラムゾーラーらしさが出ています。
アムランはシューベルトやモーツァルト、ハイドンなども絶品でしたが、やはりこういった超絶技巧作品が最高です! プログラムの組み方も素敵。
今世紀前半を代表する合唱曲になっていくであろうエリック・ウィテカーの大作。作品の詳細は、レコード芸術2020年12月号のインタビューでも語られています。
Chandosからは5年ぶりのリリースとなったジャナンドレア・ノセダによるダラピッコラのオペラ。高度な演奏技術に支えられた現代的な名演。ソリストや合唱のレベルも極めて高く、SACDハイブリッド盤による高音質録音が際立ちます。
シリーズ最初の録音から30年余を経て完成した、まさに「音楽史に残る」偉大なプロジェクトの完結編。今谷和徳先生の名著『ルネサンスの音楽家たちⅠ』(東京書籍株式会社、1993年)にて、「ゆくゆくは彼らによるジョスカンのミサ曲全集が登場することが期待される。」と書かれていたことが非常に感慨深いです。
「ハープシコード(チェンバロ)とエレクトロニクス」という、エスファハニの真価が発揮されたプログラム。現代音楽ファンも古楽(古楽器)ファンも要チェックです。
グレッグソンの名作、ロンドン・ブラスの高い技量、ラモン・ガンバの統率力、そして素晴らしい録音品質が一体となった名盤。金管好きの人はもちろん、吹奏楽やオーケストラのファン、オーディオ愛好家にもオススメの一枚。
優秀録音盤の候補も多数ありましたが、特に印象に残ったのはケーニッヒのベートーヴェン全集。個々の団員のレベルの高さや、渡辺克也氏(首席OB)による充実の書き下ろし解説(日本語解説付き国内仕様盤に収録)などもにも注目です。