『危険な関係』といえば監督ロジェ・ヴァディムによるヌーヴェル・ヴァーグの名作。映画制作側は、セロニアス・モンクに楽曲を依頼すると共に、デューク・ジョーダンにも新曲を依頼。ここにある7曲21トラックは、その関連の記録だ。興味深いのは、ジョーダンが、映画で使用する可能性を広げるために試みた豊かなヴァリエーション。それぞれの楽曲に複数のテイクがあり、7曲中4つの楽曲では、各々4テイクを記録している。そこには、テンポやリズム、またヴォイシング、フレージングをさまざまに変える試みがあり、映画の場面との相性を考えて、模索したコンポーザー、ジョーダンの姿がある。　

また、これらの曲は、四半世紀ののちに録音され、『Midnight Moonlight』『Tall Grass』として作品化。ここでの演奏は、最初期ヴァージョンの記録となる。ハードバップの時代に生きながら、この時期すでに、独自の抒情性をたたえたピアニストの個性を見ることも貴重だ。最終的にこれらの楽曲の殆どは映画には使われることはなく、（いわくつきの）大名曲”No Problem“（危険な関係のブルース）はここに存在しない。しかし、アーティストの創作の秘密を知るのは、いつの時代も興味深いことだ。

東京エムプラス

品番：SCCD36044
レーベル：SteepleChase
フォーマット：1枚組 CD
発売日：2025年07月10日

《曲目》
1 #1 Take 1 (Flip-Top)
2 #1 Take 2 (Flip-Top)
3 #1 Take 3 (Flip-Top)
4 #1 Take 4 (Flip-Top)
5 #2 Take 1 (St. Germain)
6 #2 Take 2 (St. Germain)
7 #2 Take 3 (St. Germain)
8 #2 Take 4 (St. Germain)
9 #3 Take 1 (32nd Street Love)
10 #3 Take 2 (32nd Street Love)
11 #3 Take 3 (32nd Street Love)
12 #3 Take 4 (32nd Street Love)
13 #4 Take 1 (Kiss of Spain)
14 #4 Take 2 (Kiss of Spain)
15 #4 Take 3 (Kiss of Spain)
16 #4 Take 4 (Kiss of Spain)
17 #5 Take 1 (Midnight Moonlight)
18 #5 Take 2 (Midnight Moonlight)
19 #6 Take 1 (Danish Pastry)
20 #7 Take 1 (Prince Marlboro)
21 #7 Take 2 (Prince Marlboro)

《演奏》
デューク・ジョーダン（ピアノ）
Duke Jordan Piano

《録音》
1959年7月、ニューヨーク／ADD

Duke Jordan / Sketching for Les Liaisons Dangereuses

Barcode: 716043604425

【ジャズ】『危険な関係』のためのスケッチ集（デューク・ジョーダン）

デューク・ジョーダン、貴重未発表音源集！ 映画『危険な関係』のために作曲した7曲21トラックのソロ演奏！

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