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「湖の国」フィンランドには、大きいものだけで300を超す湖があります。そして、合唱活動の盛んなこの国では、ほぼ同じかそれ以上の合唱団が活動しており、小規模のアマチュア合唱団や村の合唱隊を加えると、その数は、何百とも何千とも言われます。Albaレーベルは、そうしたフィンランドのさまざまなアンサンブルのアルバムを継続してリリースしてきました。
「ライン・フート(Lain Huuto)」は、弁護士など法律関係者と法律を学ぶ学生たちの室内合唱団です。2009年の結成。パーヴォ・ヒョッキが芸術監督として指揮しています。
『Job』と題したこのアルバムは、ライン・フートとギタリストのペッテリ・サリオラが委嘱したユッカ・リンコラの作品を中心に作られました。リンコラは、ジャズ・ピアニストとして活動しながら、トランペットなどの金管楽器、オルガンやコントラバスなどの協奏曲、室内楽曲、バレエ『盗賊の娘』、映画『雪の女王』の音楽、『アンジェリカ』をはじめとするオペラと、広いジャンルに作曲。確かな作曲技術に基づく親しみやすい音楽により、作曲家、指揮者、ピアニストとしてジャズとクラシカル音楽の両方で成功を収めてきました。
『ヨブ』は、『旧約聖書』の「ヨブ記」をベースにした、混声合唱、独唱とギターのためのブルース・オラトリオとして作曲されました。金に対する強欲と渇望のひきおこす精神崩壊、若者を深淵にまで追いこむ愛の喪失、夢のような恐怖、そして救済。そのストーリーをリンコラ自身が英語の歌詞に作りました。「ファンク」テイストももった音楽。独唱はライン・フートから選ばれ、ピックを使わない「指弾き」のサリオラが、ギターでベースとパーカッションの効果も出しています。
ラウリ・マンテュサーリの〈北の国のナイチンゲール〉〈ククノリの子守歌〉〈しあわせ〉の《ラウリ・ヴィータの詩に作曲した3つの歌》。正教のレント(大斎)の観想から「ハレルヤ」に至る、ミッコ・シドロフの《今、天の力はわれらとともに仕え》。フランスのシュルレアリズム詩人、ポール・エリュアールの詩をテクストにした、ローマ帝国時代のパリの名「ルテティア」による《ルテティアの詩》。カトリ・ヴァラの詩による《冬の夜》…「空気がガラスの鐘のように鳴っている 木におりた霜がチリンチリンと音をたてる」。「良心、公正、正義」を内省する初期キリスト教の聖人キプリアヌスとイギリスの詩人W.H.オーデンの詩による、天秤と剣をもった、ローマ神話の「正義の神」《ユスティティア》。現代フィンランドの合唱音楽を俯瞰するアルバムです。
東京エムプラス
品番:ABCD605
レーベル:Alba
フォーマット:1枚組 CD
発売日:2026年11月20日
《曲目》
ラウリ・マンテュサーリ(b.1982):
ラウリ・ヴィータの詩に作曲した3つの歌 Op.27(2013)
〔北の国のナイチンゲール
ククノリの子守歌
しあわせ〕
ミッコ・シドロフ(b.1985):
今、天の力はわれらとともに仕え(2018)
ミッコ・ニスラ(b.1974):
ルテティアの詩Op.54(2023)
〔静穏、マネキン、眠る男、ダンスの芸術、フルートとヴァイオリン〕
ヨハンネス・ティウサネン(b.1977):
冬の夜(2023)
ミア・マカロフ(b.1970):
ユスティティア(2019)
ユッカ・リンコラ(b.1955):
ヨブ(混声合唱、独唱とギターのためのブルース・オラトリオ)(2024)
〔序奏、愛と成功、ある怖い夜、急げ、夕べの太陽、朝、あっという間に時が過ぎた、夕べの星の歌、風の精、最後の悪夢、帰郷、エピローグ:秘密の鍵〕
《演奏》
ライン・フート
パーヴォ・ヒョッキ(指揮)
ペッテリ・サリオラ(ギター)
《録音》
2025年4月5日-6日、ミミックス・ウタジオ/2025年10月3日-5日、カルヤロホヤ教会(フィンランド)
JOB/Lain Huuto, Petteri Sariola
Barcode: 6429811264267